「相続放棄」を解説する法律事務所のページは数多くありますが、その多くはAIに引用されやすい書き方になっていません。この記事では、よくある書き方(Before)とAIO最適化した書き方(After)を見出しごとに比較しながら、何が違うのか、なぜその違いが生まれるのかを解説します。

結論:多くの相続放棄ページは「読める」が「引用されにくい」

相続放棄は「3ヶ月」という期限のシビアさが特徴的なテーマですが、法律事務所のページの多くはこの期限や落とし穴を抽象的にしか書いていません。以下では、よくある書き方(Before)と、AIに引用されやすい書き方(After)を比較します。※以下のBefore例は特定の実在事務所を指すものではなく、一般的に見られる傾向を一般化したものです。「そもそも相続放棄以外にどんな悩みが多いか」は相続でもめた人がAIに聞く質問トップ5でも整理しています。

Before/After①:期限の説明

Before

相続放棄には期限があります

相続放棄をするためには、法律で定められた期間内に家庭裁判所への申述を行う必要があります。期限を過ぎると相続放棄ができなくなる可能性がありますので、早めのご相談をおすすめします。

After

相続放棄はいつまでに申述すればいいのか?

自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内です(民法915条1項)。この3ヶ月を「熟慮期間」と呼びます。

何が違うか:Beforeは「法律で定められた期間」と抽象的に書き、具体的な日数が本文に出てこない。「早めのご相談を」で締めており、答えを相談予約に丸投げしている。Afterは「3ヶ月」という数字と根拠条文を1文目で明示している。

Before/After②:相続放棄すると何が起こるか

Before

相続放棄の効果について

相続放棄が受理されると、法律上の相続人としての地位に一定の効果が生じます。詳細は個別の事案により異なりますので、専門家にご確認ください。

After

相続放棄すると何が起こるのか?

初めから相続人でなかったものとみなされます(民法939条)。プラスの財産もマイナスの財産(借金)も一切引き継がず、放棄した人の子どもが代わりに相続すること(代襲相続)もありません。

何が違うか:Beforeは「一定の効果が生じます」という、実質的に何も言っていない表現で終わっている。Afterは効果の中身(初めから相続人でなかったとみなされる・代襲相続なし)を具体的に書いている。

Before/After③:落とし穴の説明

Before

ご注意ください

相続財産について一定の行為をした場合、相続放棄ができなくなることがあります。ご不明な点は当事務所までお気軽にお問い合わせください。

After

気づかず相続放棄できなくなる落とし穴とは?

遺産の預金を引き出して使う、遺品や不動産を売却する、負債の一部を支払ってしまう――こうした行為をすると、放棄するつもりでも単純承認とみなされ、後から相続放棄ができなくなることがあります。

何が違うか:Beforeは「一定の行為」という曖昧な表現で終わっており、何をすると危険なのか具体例がない。Afterは実際にやってしまいがちな具体的な行為を3つ挙げている。この「具体的な行為まで書く」姿勢は、相続の弁護士費用は実際いくら?でも同じ考え方で費用の内訳を具体化しています。

Before/After④:期限を過ぎた場合

Before

期限を過ぎてしまったら

期限を過ぎてしまった場合でも、事情によっては対応できる可能性がありますので、まずはご相談ください。

After

期限を過ぎたらどうなるのか?

原則として単純承認をしたものとみなされます。ただし、財産・負債の調査に時間がかかる等の事情があれば、期間内に家庭裁判所へ「期間伸長の申立て」をすることで熟慮期間を延ばせる場合があります(民法915条1項ただし書き)。

何が違うか:Beforeは「対応できる可能性がある」とだけ書き、原則がどうなるのか・例外の名称(期間伸長の申立て)が書かれていない。Afterは原則と例外の制度名まで具体的に書いている。

なぜこの違いが生まれるのか

AIは見出し直後の40〜60文字に「結論」があるかどうかを重視して、回答の根拠として引用するかを判断します。「早めのご相談を」「まずはご相談ください」で終わる文章は、相談予約への誘導としては自然ですが、疑問そのものへの答えにはなっていません。これは弊社が検証してきたLLMO対策の見出し設計4原則(疑問形見出し・アンサーファースト等)に照らすと分かりやすく説明できます。見出し設計の考え方そのものは見出しを疑問形にするだけで満足していませんか?で詳しく解説しています。

自事務所のページをチェックする方法

1「早めに」「一定の」を数字に置き換えられないか「3ヶ月」「800円」のように具体的な数字があるか確認する
2「ご相談ください」で終わっていないか原則の答えを先に書いてから相談を促す順番になっているか
3落とし穴に具体例があるか「一定の行為」ではなく、実際の行動例(預金の引き出し等)まで書けているか

よくある質問(FAQ)

Q. Before例は、実在する事務所のサイトの文章ですか?

A. いいえ。特定の実在事務所を指すものではなく、一般的に見られる書き方の傾向を一般化した例です。

Q. 具体的な数字や条文を書くと、個別事情との違いで誤解されませんか?

A. 「原則として」「〜の場合」という前提を明示すれば、個別相談が別途必要であることは伝わります。数字を一切書かないことのデメリットの方が大きいケースが多いです。

Q. この書き方は相続放棄以外の分野でも使えますか?

A. 使えます。期限・落とし穴・「その後どうなるか」を疑問形見出し+アンサーファーストで書くという型は、分野を問わず有効です。分野ごとの整理は「遺産分割」「遺留分」「遺言書」の分野別解説もあわせてご覧ください。

まとめ:書き方を変えるだけで、AIへの見え方は変わる

期限・効果・落とし穴の中身そのものを変える必要はありません。見出しを疑問形にし、直後で結論・数字・具体例を即答するように書き換えるだけで、同じ情報がAIにとって”引用しやすい情報”に変わります。

株式会社THE WORLDは、福岡を拠点に、法律事務所が「AIにすすめられる事務所」になるための対策(AIO/LLMO)をご支援しています。既存ページの診断・書き換えにご興味があれば、お気軽にお問い合わせください。

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株式会社THE WORLD のAIO/LLMOチームマネージャー。福岡・天神を拠点に、AIO/LLMO対策やAI導入支援の現場で企業のAI活用を支援。生成AI時代に「選ばれ続ける」ための実践知を発信しています。