「遺産分割」「遺留分」「遺言書」は、相続の中でも特に混同されやすい3つの分野です。法律事務所のページでも、この3つをまとめて1つの説明で済ませているケースが少なくありません。この記事では、分野ごとに答え方を分けて書いた場合とそうでない場合を4つの実例で比較します。
目次
結論:分野をまとめて説明すると、AIには”答えが混ざった”ページに見える
「遺産分割」「遺留分」「遺言書」は、それぞれ別の場面で発生する別の手続きです。しかし多くの事務所ページでは「相続手続きについて」という1つの大きな見出しの下に3分野を並べて書いてしまい、AIがどの疑問に対する答えなのかを判断しづらい状態になっています。以下、よくある4つの落とし穴を実例で見ていきます。※以下の例は特定の実在事務所を指すものではなく、法律系サイトで一般的に見られる傾向を一般化したものです。
落とし穴①:3分野をひとつの見出しで説明してしまう
相続手続きについて
相続が発生した場合、遺産分割、遺留分、遺言書など様々な手続きが関係してきます。当事務所ではこれらの手続きについて幅広くサポートしております。
遺産分割・遺留分・遺言書は何が違うのか?
遺産分割は相続人全員で遺産の分け方を話し合う手続き、遺留分は一定の相続人に法律上保障された最低限の取り分、遺言書は被相続人が生前に財産の分け方を指定しておく書面です。発生するタイミングも関わる人も異なります。
落とし穴②:遺留分の割合を「規定があります」で止める
遺留分について
遺留分の割合については民法に規定があります。相続人の構成によって割合が異なりますので、詳しくは弁護士にご相談ください。
遺留分の割合はどのくらいか?
民法1042条により、相続人が直系尊属(親等)のみの場合は遺留分算定の基礎財産の3分の1、それ以外(配偶者や子が相続人に含まれる場合等)は2分の1です。なお、兄弟姉妹には遺留分そのものがありません。
落とし穴③:遺言書の保管制度を「保管できます」で止める
遺言書の保管制度
自筆証書遺言は法務局で保管してもらうことができる制度があります。紛失や改ざんのリスクを減らすことができます。
自筆証書遺言を法務局で保管すると何が変わるのか?
2020年7月開始の自筆証書遺言書保管制度を使うと、1件3,900円の手数料で法務局に保管でき、相続開始後に家庭裁判所での検認手続が不要になります。閲覧時はモニター閲覧1,400円・原本閲覧1,700円がかかります。
落とし穴④:遺産分割協議書の要否を一律に答えてしまう
遺産分割協議書は必要ですか?
相続手続きを進める上で、遺産分割協議書は作成しておくことをおすすめします。
遺産分割協議書は必ず必要なのか?
作成自体は法律上の義務ではありません。ただし、不動産を法定相続分と異なる割合で登記する場合は提出が必須です。現金・預金のみの相続では、相続人全員が手続きに協力すれば協議書がなくても解約は可能ですが、口座が複数あると都度全員の署名が必要になり非効率です。
AIはなぜ「分野の切り分け」を評価するのか
AIは1つの見出しに1つの疑問・1つの答えが対応している構造を、回答の根拠として扱いやすい傾向があります。逆に、複数の分野を1つの見出しにまとめてしまうと、どの疑問に対する答えなのかが曖昧になり、引用元として選ばれにくくなります。これは弊社が検証してきたLLMO対策の見出し設計4原則(疑問形見出し・サブクエリ対応・1見出し1トピック・アンサーファースト)のうち、特に「1見出し1トピック」の原則に直結する落とし穴です。
自社ページの「分野の切り分け」を確認する4つの視点
よくある質問(FAQ)
Q. Before例は、実在する事務所のサイトの文章ですか?
A. いいえ。特定の実在事務所を指すものではなく、法律系サイトで一般的に見られる書き方の傾向を一般化した例です。
Q. 遺産分割・遺留分・遺言書のページを完全に別々にする必要がありますか?
A. 別ページに分けなくても構いません。同じページの中でも、見出しごとに「どの分野の、どの疑問に対する答えか」が明確であれば、分野を切り分けて書くことができます。
Q. 数字を書くだけで本当にAIに引用されやすくなりますか?
A. 「必ず」とは言えません。AIの回答は日々変化するため保証はできませんが、具体的な数字・条件分岐を明記することは弊社が検証してきたLLMO対策の基本であり、引用されやすい状態に近づく取り組みです。
まとめ:3分野は3つの答えとして書く
遺産分割・遺留分・遺言書は、発生する場面も関わる人も異なる別々の手続きです。まとめて説明するのではなく、見出しごとに「どの分野の、どの疑問への答えか」を明確にし、数字や条件分岐まで書き切ることで、同じ情報がAIにとって”引用しやすい情報”に変わります。
株式会社THE WORLDは、福岡を拠点に、法律事務所が「AIにすすめられる事務所」になるための対策(AIO/LLMO)をご支援しています。既存ページの診断・書き換えにご興味があれば、お気軽にお問い合わせください。



