2026年5月7日、GoogleはFAQ構造化データによる検索結果のリッチリザルト表示をやめました。これを見て「FAQPageスキーマはもう意味がない」と実装をやめてしまう会社が出てきています。しかし、消えたのは検索結果の”見た目”だけで、AIがページ内容を理解する仕組みとは別の話です。何が終わり、何が終わっていないのかを整理します。
目次
何が起きたのか、時系列で見る
FAQ構造化データをめぐるGoogleの方針は、この7年で3段階に変化しています。
GoogleがFAQ・HowTo構造化データのサポートを開始。検索結果にQ&Aが展開表示されるようになり、Search ConsoleにFAQ専用レポートも追加された。
Googleが検索結果の簡素化のため、FAQリッチリザルトの表示対象を「著名で信頼性の高い政府・医療系サイト」に限定。ほとんどのサイトはこの時点で表示対象から外れた。
残っていた対象も含め、FAQリッチリザルトの表示自体を廃止。Search Consoleのレポート・リッチリザルトテストのサポートも順次終了予定。
「表示されなくなった=無意味」という誤解
この変更を受けて、実際に混同されがちな2つの受け止め方を比べてみます。
マークアップがあっても中身が甘ければ意味がない
FAQPageスキーマを実装していても、Q&Aの中身自体が甘ければAIには拾われません。よくある「甘い」書き方と、拾われやすい書き方を1つだけ例に出します。
Qが体言止めで疑問形になっておらず、Aが「お問い合わせください」で終われば、見出し設計4原則のうち疑問形見出し・アンサーファーストのどちらも満たせていません。マークアップという器を用意しても、中身が伴っていなければ回答の根拠にはなりません。
なぜAIはFAQ形式のページを回答の根拠に使いやすいのか
AIは1つの質問を、サブクエリ(1つの質問をAIが複数の小さな疑問に分解したもの)に分解して情報を探すことが多く、「疑問文+端的な答え」がセットになっているFAQ形式のページは、この分解された疑問と構造的にマッチしやすくなります。さらにAIはRRF(相互順位融合スコアリング=1つのサイトの順位より、複数の情報源で同じ内容が繰り返し具体的に言及されているかを重視する仕組み)で情報源を評価する傾向があるため、具体的な数字・条件まで書かれたQ&Aは、あいまいな回答より引用の根拠として選ばれやすくなります。ただし、この効果はFAQPageスキーマというマークアップ自体の力というより、Q&A形式で具体的に書くという文章構造の力である点には注意が必要です。
自社ページのFAQ活用を確認する4つの視点
よくある質問
Q. これは構造化データの実装講座ですか?
A. いいえ。実装手順の解説ではなく、「Googleの検索結果表示の仕組み」と「AIが回答を組み立てる仕組み」を混同していないかを診断する記事です。FAQPageスキーマはその違いを説明するための題材です。
Q. FAQPageスキーマは今すぐ外すべきですか?
A. いいえ。Google自身が、既存の構造化データを外す必要はないと説明しています。表示上のメリットがなくなっただけで、ページ理解のための情報として利用され続けます。
Q. FAQを増やせば増やすほどAIに引用されやすくなりますか?
A. 「必ず」とは言えません。件数よりも、実際に読者が知りたい疑問に、疑問形と具体的な答えで応えられているかどうかが重要です。
まとめ
FAQPageスキーマという題材自体は、実はこの記事の主役ではありません。「検索結果の見た目」と「AIの理解のされやすさ」という別々の仕組みを混同せず、Q&Aの中身を疑問形・具体的な答えで書けているかどうかで、AIにとっての引用しやすさは大きく変わります。
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