会社概要ページや事務所紹介ページは、丁寧な文章で説明されていることが多い一方、AIにとっては「どれが会社名で、どれが電話番号か」を正確に読み取りにくい構造になっていることがあります。この記事では、よくある書き方(Before)とAIが正確に認識できる書き方(After)を見出しごとに比較しながら、何が違うのか、なぜその違いが生まれるのかを解説します。

結論:「読める文章」と「AIが認識できる情報」は別物

会社概要ページの多くは、人間が読めば意味が伝わる文章で書かれています。しかし、AIはHTMLの文章だけから「これは会社名」「これは電話番号」と機械的に判断するのが苦手です。そこで使われるのが構造化データ(JSON-LD)と呼ばれる、ページの裏側に埋め込む”タグ付け”です。この記事では、よくある書き方(Before)とAIが認識しやすい書き方(After)を比較します。

Before/After①:会社名・所在地の書き方

Before

文章だけで説明する

弊社は福岡県福岡市に本社を構える会社です。会社概要ページの本文中に社名・住所を記載しています。

After

Organizationスキーマで明示する

本文の文章に加えて、JSON-LDでname(正式社名)・address(所在地)をタグとして埋め込む。表記ゆれ(株式会社の位置等)があっても、AIは「これが正式名称」と機械的に特定できる。

何が違うか:Beforeは文章の中に情報が”埋もれて”おり、他の固有名詞と区別する手がかりがない。Afterは「これは社名」「これは住所」という意味ラベルを明示している。

Before/After②:電話番号・営業時間の書き方

Before

フッターに書くだけ

電話番号や営業時間をフッターやお問い合わせページの文章内に記載している。

After

telephone・openingHoursを構造化

LocalBusinessスキーマのtelephoneopeningHoursプロパティとして埋め込む。ページのデザインが変わっても、AIが参照する情報の位置は変わらない。

何が違うか:Beforeはページのレイアウト(フッターの位置等)に情報の見つけやすさが依存する。Afterはレイアウトに依存せず、常に同じ形式でAIが取得できる。

Before/After③:記事の著者・公開日の書き方

Before

本文末に「執筆:〇〇」と書く

ブログ記事の末尾に執筆者名や更新日を文章として書き添えている。

After

Articleスキーマでauthor・datePublishedを付与

JSON-LDでheadlineauthordatePublishedpublisherを明示する。「誰が・いつ・どの組織から発信した情報か」がAIにとって機械的に確認できる形になる。

何が違うか:Beforeは執筆者・日付の情報が本文の一部として埋もれている。Afterは発信者情報を独立したデータとして持たせるため、信頼性シグナルとして扱われやすい。

Before/After④:よくある質問の書き方

Before

FAQをただの見出し+本文で書く

「よくある質問」という見出しの下に、質問と回答を通常の文章として並べている。

After

FAQPageスキーマでQ&Aをペア化

JSON-LDのFAQPageで、質問(Question)と回答(Answer)をペアとして明示する。AIが「これは質問と回答のセットである」と認識しやすくなる。

何が違うか:Beforeは見た目上はQ&A形式でも、データとしては質問と回答の対応関係が明示されていない。Afterはペア関係そのものを構造化データとして持たせている。

なぜこの違いが生まれるのか

Google自身も構造化データについて「ページの意味に関する明示的な手がかりを提供することで、Googleの理解を助けることができる」と説明しています(Google検索セントラル「構造化データの基礎」)。生成AIの引用行動を分析した研究でも、Structured Data(構造化データ)とSemantic HTMLは、Metadata-and-Freshnessと並んで引用と強く関連する要素として報告されています(Kumar & Palkhouski, arXiv:2509.10762, 2025年9月13日提出)。

※上記論文はBrave Summary・Google AI Overviews・Perplexityの英語圏BtoB SaaSページを対象にした調査であり、日本語サイト全般への適用を保証するものではありません。あくまで参考的な裏付けとして紹介しています。

自社サイトをチェックする方法

1会社名・住所がJSON-LDで出力されているかブラウザの「ページのソースを表示」でapplication/ld+jsonを検索する
2ブログ記事にArticleスキーマがあるか著者・公開日が文章だけでなくデータとしても出力されているか確認する
3FAQがFAQPageスキーマになっているか見た目だけのQ&Aで終わっていないか確認する

よくある質問(FAQ)

Q. 構造化データを入れれば、それだけで検索順位が上がりますか?

A. Google自身は構造化データを直接の順位要因とは説明していません。ただし、AIがページ内容を正確に理解する助けになり、リッチリザルト表示等を通じて間接的にクリック率向上につながる可能性があります。

Q. WordPressの場合、コードを書かないと実装できませんか?

A. プラグイン経由で一部自動生成されるものもありますが、Article・FAQPage等の細かいプロパティは手動での実装や調整が必要になるケースが多いです。

Q. 見出しを疑問形にする対策と、構造化データはどちらが優先ですか?

A. どちらか一方ではなく両方必要です。見出し設計(本文側の書き方)と構造化データ(裏側のデータ)は、別のレイヤーの対策です。

まとめ:文章はそのまま、”裏側”を足すだけでいい

会社概要やブログ記事の文章そのものを書き直す必要はありません。同じ文章の裏側に、社名・住所・著者・公開日・FAQといった情報を構造化データとして追加するだけで、AIにとっての”読み取りやすさ”が変わります。これは弊社が整理しているAIO・LLMOの基礎知識の中でも、技術面の土台にあたる対策です。

株式会社THE WORLDは、福岡を拠点に、構造化データの診断・実装を含めたAIO/LLMO対策をご支援しています。自社サイトの構造化データがどこまで実装されているか気になる方は、お気軽にお問い合わせください。

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株式会社THE WORLD のAIO/LLMOチームマネージャー。福岡・天神を拠点に、AIO/LLMO対策やAI導入支援の現場で企業のAI活用を支援。生成AI時代に「選ばれ続ける」ための実践知を発信しています。